【8月18日 AFP】ロシア陸上競技連盟(ARAF)は17日、ドーピング疑惑が浮上している同国の選手について、22日に開幕する第15回世界陸上北京大会(15th IAAF World Championships in Athletics Beijing)への出場を禁止すると発表した。

 ロシアの国営タス通信(TASS)は、露陸連事務局長の発言として、「禁止薬物を摂取した疑いのあるロシアの選手は、世界陸上に出場することはできない」という言葉を伝えた。

 独テレビ局ドイツ公共放送連盟(ARD)と英紙サンデータイムズ(Sunday Times)が報じた世界規模の大量ドーピング疑惑によって、世界陸上を控える選手は新たな危機に直面している。

 露陸連は、「われわれの決定は報道に基づくものではない」とし、「国際陸上競技連盟(IAAF)の規定に従った決断にのみ基づいている」と強調した。

 ARDは16日、IAAFが露陸連に対して、五輪金メダリストのマリア・サビノワ(Mariya Savinova)などドーピング疑惑のあるロシア代表選手について、説明を求めていると伝えた。

 ARDはまた、ロシア代表チームのコーチ3人とチームドクター1人について、永久追放処分が科される可能性があると報じている。

 一方、露陸連の関係者は、IAAFから説明を求める文書は受け取っていないと主張している。

「われわれは、この問題に関してIAAFから公式な書簡や調査依頼は何も受け取っていない」

「しかし、すでに出場停止処分が科されている選手やドーピング疑惑が浮上している選手については、北京(Beijing)で開催される世界陸上への出場は一切認めない」

 ARDは昨年にも、別の調査で判明したロシア陸上界のドーピング疑惑と腐敗に関する番組を放送し、特にドーピングについては組織的に行われていると伝えている。(c)AFP