【8月4日 AFP】男子テニス世界ランキング5位の錦織圭(Kei Nishikori)は、2014年の全米オープン(The US Open Tennis Championships 2014)で決勝進出を果たし、新たな歴史を作った。――そして昨年の偉業を再現するために、錦織はより強く、より賢く、より大きな自信を手にしたと実感している。

 フラッシング・メドウズ(Flushing Meadows)で開催される全米オープンを2週間後に控えた錦織は、シティ・オープン(Citi Open 2015)で夏のハードコートシーズンを迎え、1回戦では世界ランク95位のジェームズ・ダックワース(James Duckworth、オーストラリア)と対戦する。

「自分のテニスは好転しているし、手応えを感じている」と明かした錦織は、「今週のプレーが楽しみ」と語った。

 錦織は昨年の全米オープンで、ミロス・ラオニッチ(Milos Raonic、カナダ)とスタン・ワウリンカ(Stan Wawrinka、スイス)を立て続けにフルセットで破ると、準決勝では大会第1シードのノバク・ジョコビッチ(Novak Djokovic、セルビア)に勝利し、男子アジア勢で史上初の四大大会(グランドスラム)決勝進出を果たした。

 決勝でマリン・チリッチ(Marin Cilic、クロアチア)に敗れたものの、自信を手にした25歳の錦織は、今年の全米オープンで決勝の舞台に戻り、優勝することでさらなる歴史を刻みたいと考えている。

 錦織は、「初めてグランドスラム決勝を戦ったことや、2試合連続でフルセットを制したことは大きな経験になったし、そこからたくさんのことを学んだ」と語っている。

「今年はこれまでと違う。精神的にも少し強くなった。ノバクやスタンをはじめとする世界トップ10の選手を破り、以前よりも少し自分を信じられるようになった。体力もついたし、これからの数週間は良いテニスができると考えている」

 ラファエル・ナダル(Rafael Nadal、スペイン)がけがの影響でランキングを下げ、ワウリンカは自身2個目となるグランドスラムタイトルを獲得するなど勢いに乗っている。

 それでも錦織は、現在の男子シングルス4強にジョコビッチ、ナダル、ロジャー・フェデラー(Roger Federer、スイス)、そしてシティ・オープン第1シードのアンディ・マレー(Andy Murray、英国)の名前を挙げている。

「自分も彼らに続きたい」と語った錦織は、「トップ10には新しい選手が台頭しているけれど、まだ4強が立ちはだかっている。徐々にその牙城を崩しつつあるのは、テニス界にとって良いこと」だとしている。

 今年の全豪オープンテニス(Australian Open Tennis Tournament 2015)と全仏オープンテニス(French Open 2015)で8強入りを果たしている錦織は、ふくらはぎを痛めてウィンブルドン選手権(The Championships Wimbledon 2015)では棄権を余儀なくされたものの、現在はすっかり完治したと話している。

「調子はとても良いです。ここに来るまでの約3週間で、しっかり準備ができた」と語った錦織は、「ウィンブルドンの後は、1週間ほど休暇を取った。それから脚の状態が良くなった」と明かしている。

 錦織は、同じ日本勢の西岡良仁(Yoshihito Nishioka)がシティ・オープン本戦出場を果たしたことを喜んでおり、アジア勢のトップ選手として新しい世代に刺激を与えることが自身の役割だとしている。

「もっとアジアの選手が活躍するようになって、自分がその勢いを持続させられるようにしたい」

「自分が新しい夢を与えて、もっとたくさんの子どもたちに見にきてもらえるようにしたい」

(c)AFP/Jim SLATER