【7月21日 AFP】プロボクサーのマニー・パッキャオ(Manny Pacquiao、フィリピン)は20日、予定されていた肩の治療を直前にキャンセルし、プロモーターのボブ・アラム(Bob Arum)氏から批判されたことについて、自分でリハビリを行っていると説明した。

 アラム氏は、5月に行われたフロイド・メイウェザー・ジュニア(Floyd Mayweather Jr.、米国)との試合後に右肩の負傷を明かしたパッキャオが、医師の診察に訪れなかったことに怒りを爆発させ、「パックマン」が再びリングに復帰できるかは白紙だと語っている。

 パッキャオは声明で、「私はボブ・アラムを尊敬している。彼は私にとって父親も同然だ。彼は、私を心配して発言しているのだと思う。私は、そのことに感謝しているし、否定的には受け止めていない」と述べた。

「しかし、彼が私のけがについて心配する必要はない。私は自分でリハビリを行っているし、予想以上に早く回復している」

 米ラスベガス(Las Vegas)で行われたメイウェザーとの「世紀の一戦」に判定負けを喫したパッキャオは、試合後に右肩の腱板を断裂していたことを明らかにし、5月7日に修復手術を受けていた。

 パッキャオは、7月4日にロサンゼルス(Los Angeles)市内にあるカーラン・ジョーブ整形外科(Kerlan-Jobe Orthopedic Clinic)でニール・エルアトラシュ(Neal ElAttrache)医師の診察を受けるはずだった。

 しかし、直前になって予定をキャンセルし、トップランク(Top Rank Boxing)社を率いる83歳のアラム氏から、「彼はプロフェッショナルからかけ離れている」と厳しく批判されていた。

 ほかの医師による診察や治療を受けていたかどうかは明らかにしなかったパッキャオだが、回復状況は順調だとして、「今では右腕だって上げられる」と明かしている。

 パッキャオはまた、アラム氏が自身のことを「現役ボクサーとは言えない」と発言したことについてコメントを避けた。

 医師の診察が予定されていた日から数日後、パッキャオはテレビ広告の撮影でインドネシアを訪問し、同国の刑務所に収容され恩赦を求めているフィリピン人死刑囚と面会していた。

 アラム氏は、パッキャオが今後の治療方針を決めるためにロサンゼルスの医師を訪れるべきだったとの見解を示しており、AFPに対して、「あれほどの手術を受けたのであれば、治療に専念するべきだ。そして、医師の診察を受けて必要な治療に従っていかなければならない」と述べている。

 パッキャオは、フィリピンの英雄的存在であり、映画や広告に出演しているほか、政治家としても活動している。

 ボクシングで得た名声を利用し、様々な活動に興味を示しているパッキャオは、たくさんの事業に関わりすぎていると批判されながらも、キリスト教の牧師やバスケットボールチームの選手兼コーチとしても知られている。(c)AFP