【7月15日 AFP】メキシコの麻薬王「エル・チャポ(El Chapo)」ことホアキン・グスマン(Joaquin Guzman)受刑者が脱獄した事件で、同国政府は14日、同受刑者が独房内のシャワー部分に入り姿を消す瞬間を捉えた監視カメラの映像を公開した。

 映像には、グスマン受刑者が独房内を動き回った後、シャワースペースを区切る低い壁の後ろにしゃがみ込む様子が写されている。だが、同受刑者が脱獄に使った穴は見ることができない。

 メキシコ市(Mexico City)の西方90キロに位置するアルティプラーノ(Altiplano)にある厳重な警備下の刑務所に収容されていたグスマン受刑者は、11日夜、独房内のシャワーの下に掘られた長さ1.5キロのトンネルを抜けて脱獄した。

 グスマン受刑者の大規模捜索が3日目を迎えた14日、検察当局は、脱獄に刑務所関係者が協力していた疑惑をめぐり取り調べを行っていた刑務所職員34人のうち12人を釈放、22人を正式な勾留下に置いた。13日に解任された刑務所長が釈放された12人の中に入っているのか、それとも拘束が続いているのかについては明らかにしていない。

 また検察当局は、グスマン受刑者の弁護人2人と、同受刑者が逃走したトンネルの終端の土地の所有者の取り調べも行ったという。ミゲル・アンヘル・オソリオ・チョン(Miguel Angel Osorio Chong)内相は13日、グスマン受刑者には刑務所職員の手助けがあったに「違いない」と述べた。(c)AFP