【7月15日 AFP】イランの核開発をめぐり欧米など6か国とイランは14日、歴史的な最終合意に達したが、米共和党議員と一部の民主党議員からは、この合意はイランに譲歩し過ぎており米国の安全保障上の妨げになると否定的な声が上がっている。

 バラク・オバマ(Barack Obama)米大統領は、オーストリアのウィーン(Vienna)で18日間に及ぶマラソン協議の末に達した最終合意を支持する意向を示しているため、米ワシントンD.C.(Washington D.C.)での関心は共和党が多数を握る米議会の動きに移っている。

 ジョン・ベイナー(John Boehner)下院議長(共和党)は、最終合意は「受け入れられない」と非難し、自分が理解している通りの内容なら「阻止するためにできることは何でもやる」と述べるとともに、最終合意はイランを「つけあがらせ」世界的な核兵器開発競争をあおりかねないと警告した。

 今月9日までに合意内容を米議会に送付できなかったため、今年5月に成立した法律の規定によって米議会での審査期間は30日から60日に延長された。来週にも始まるとみられる公聴会では国民的論議が行われるだろう。議員らは最終合意の技術的な細部について非公開の場で政府当局者から説明を受けることも要求している。

 オバマ大統領は今回の合意を承認しない決議には拒否権の発動も辞さないと発言しているが、上下両院のそれぞれで3分の2の票が得られれば、オバマ大統領の拒否権を覆すことができる。

 議会の審査期間中にオバマ大統領が対イラン制裁を一部でも撤回することは禁じられている。また、議会が後からイラン政府は合意内容に従っていないという判断を下せば、オバマ大統領が解除したイランへの制裁措置を復活させることができる。(c)AFP/Michael Mathes