【7月8日 AFP】イランの核開発をめぐる協議を続けている主要6か国とイランは7日、交渉期限を守ることがでず、関係各国は「今週いっぱい」協議を継続することで一致した。

 国連安全保障理事会(UN Security Council)の常任理事国(米英中仏露)にドイツを加えた6か国(いわゆるP5+1)とイランがオーストリアの首都ウィーン(Vienna)で行っている協議の休憩中に、欧州連合(EU)のフェデリカ・モゲリーニ(Federica Mogherini)外交安全保障上級代表は記者団に対し「あと数日交渉を続ける」と述べた。

 一方米国は、イランが制裁緩和の見返りに濃縮ウランの備蓄量削減を進めるという2013年11月に結ばれた暫定合意の有効期限を10日まで延長すると発表。同日が事実上の新たな交渉期限になるとみられる。

 ある米政府高官は、「合意にかつてないほど近づいてはいるが、合意をまとめられるところにはまだ達していない」と明かした。

 交渉担当者らは、イラン核兵器開発阻止を目指し、2年近くに及んだ複雑な交渉の最後の詰めを完了させるため連日話し合いを続けてきた。

 協議が行き詰まり、交渉担当者らが自ら設定した交渉期限を守れなかったのは、2013年以降では5回目、本ラウンドに入ってからは2回目となる。

 それでもモゲリーニ氏は、依然残っている意見の相違を乗り越え、13年に及ぶイランとの対立の終結につながる合意に至ることは可能だと主張している。

 ロシアと中国の外相はすでに帰途に就いたが、モゲリーニ氏に加え、ジョン・ケリー(John Kerry)米国務長官とモハンマドジャバド・ザリフ(Mohammad Javad Zarif)イラン外相はウィーンにとどまっている。

 識者らの多くは先に、9日が絶対的な期限になるとみていた。というのも、もしケリー氏が9日中に合意内容を米議会に送付できなければ、議会での審査期間が30日から60日に延長されることが決まっているため、合意の実施がさらに複雑になる恐れがあるからだ。それまでに何とか詳細を確定させたい米交渉チームは、いよいよ窮地に立たされた格好となっている。(c)AFP/Jo BIDDLE and Philippe SCHWAB