【7月14日 AFP】米ヒップホップ界の大物50セント(50 Cent)が、実はその芸名分の資産さえもないかもしれないことを明らかにした。

 アルバム「ゲット・リッチ・オア・ダイ・トライン(Get Rich or Die Tryin)」(金持ちになるか、なれずに死ぬか)と同名の映画で知られる50セント(本名:カーティス・ジェームズ・ジャクソン3世(Curtis James Jackson III))だが、セックス動画の流出に関する裁判で巨額の賠償金を支払うことになり、13日に米当局に破産保護を申請した。

 米連邦破産裁判所に提出された書類によれば、50セントの資産と負債はともに1000万~5000万ドル(約12億3000万~61億6000万円)の間だという。ただ本人は芸能情報サイト「E!ニュース(E! News)」とのインタビューで「優れた実業家であれば、この状況で誰もがとったであろう予防措置をとっている」と主張している。今回の破産保護申請により、50セントは債権者への支払義務を免除される。

 破産保護申請の数日前、50セントには、2009年にインターネット上に流出した性行為を撮影した動画に関する裁判で、動画に写っていた女性への500万ドル(約6億1600万円)の損害賠償の支払いを命じる判決が出ていた。

 この女性はラッパーのリック・ロス(Rick Ross)との間に子どもがいるが、流出したビデオは他の男性とこの女性の性行為を写したもので、50セントは「ナレーター」として登場していた。50セントの弁護団は、動画を流出させたのはロスか、ロスの関係者で、50セントに責任はないと主張していた。(c)AFP/Shaun TANDON