【7月13日 AFP】ユーロ圏諸国が提示したギリシャの金融救済案について、マイクロブログのツイッター(Twitter)上では、その厳しい条件がギリシャ政府から財政上の主権を奪うものだとして、「#ThisIsACoup(これはクーデターだ)」のハッシュタグを付けて批判する投稿が相次いでいる。

 このハッシュタグは、ギリシャ、フランス、ドイツ、英国のツイッター上で、最も話題となっているワードの一つになった。

 米紙ニューヨーク・タイムズ(New York Times)に寄稿するノーベル賞経済学者のポール・クルーグマン(Paul Krugman)氏など、著名なコメンテーターたちもこのワードのトレンド化に一役買っている。

「これはクーデターだ」との主張の要旨は、ユーロ圏の諸国(とりわけ緊縮財政を強硬に主張するドイツやフィンランドが主導するグループ)がギリシャに対して行った提案が、同国の経済を自分たちの管理下に事実上置かせる政策を実施するよう求める、交渉の余地のない内容になっている、とのもの。

 報道陣に配布された草案によれば、今回の提案はギリシャに対して、税制と年金の制度改革を15日までに議会で法制化し、500億ユーロ(約6兆8000億円)の国有資産を欧州連合(EU)の監視下にある信託資産に移管し、大規模な労働市場改革の徹底と民営化の実現を約束するよう求めている。

 もし拒否すれば、ギリシャはユーロ圏から強制的に離脱させられることになり、すでに崩壊寸前のギリシャ経済に壊滅的な影響を与えるとみられる。

 クルーグマン氏はニューヨーク・タイムズに、「今話題となっているハッシュタグ『#ThisIsACoup』は全くもって正しい。この要求は、厳しいという範囲を越えて純粋な報復の域に達しており、国家主権の完全な破壊であるとともに、救いへの希望もない」と述べている。(c)AFP