【7月9日 AFP】イタリア・ナポリ(Naples)の裁判所は8日、シルビオ・ベルルスコーニ(Silvio Berlusconi)元首相(78)に対し、上院議員への贈賄罪で禁錮3年の判決を下した。

 数々の訴訟を抱えるベルルスコーニ元首相にとって新たな打撃となる有罪判決だが、担当弁護士は、法律上の解釈から元首相が服役することはないとの見方を示している。

 元首相の弁護を担当するニコロ・ゲディーニ(Niccolo Ghedini)氏は、「不当判決」だと非難しつつ、同裁判は11月6日には時効が成立すると指摘。元首相側が控訴すれば、裁判は時間切れとなるため、今回の有罪判決は元首相に何の法的な影響も及ぼさないと述べた。

 ベルルスコーニ元首相は、2006~08年に当時政権を担っていたロマーノ・プローディ(Romano Prodi)元首相率いる中道左派連合に揺さぶりをかけるため、同連合に所属していたセルジオ・デグレゴリオ(Sergio De Gregorio)上院議員に仲介者を通じて総額300万ユーロ(約4億円)の賄賂を渡したとされる。

 中道左派連合は求心力に欠けており、プローディ政権が2008年に崩壊した背景にはデグレゴリオ元議員の離反が大きく影響したとの見方が強い。(c)AFP/Ljubomir MILASIN