【7月8日 AFP】英ロンドン(London)を複数の自爆攻撃が襲った2005年の同時爆破テロから10年を迎えた7日、現場となった市内各地では人々が花をささげ、全土で犠牲になった52人に対し黙とうがささげられた。

 ハイド・パーク(Hyde Park)での追悼行事は、4か所のうち最初の自爆が起きた午前8時50分(日本時間午後4時50分)に始まった。デービッド・キャメロン(David Cameron)英首相も出席し、追悼の碑に献花した。セントポール大聖堂(St Paul's Cathedral)のドームからは、ミサの時間に合わせて花びらがまかれた。

 キャメロン首相は「あの7月7日のロンドン襲撃から10年が経った。しかしテロの脅威は依然衰えることなく現存している」と述べ、先月26日にチュニジアのビーチリゾートで発生し38人が死亡した銃撃事件に言及。「その事実は、チュニジアで休暇を楽しんでいた罪のない英国人30人が殺害されたことで残酷にも思い知らされた。しかし我々がテロに臆することは決してない」と語った。

 過去10年間、英国の歴代政権は治安対策を強化するとともに、05年のテロ発生当時、初動の遅れに批判が集まったことを教訓に緊急事態対応のあり方を改善してきた。

 一方で、この事件のテロ実行犯が外国人戦闘員ではなく、国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)に感化された英国育ちの若者4人だったことで浮き彫りになった自国民の過激化の問題についてはいまだ苦慮している。現在も、イスラム過激派組織「イスラム国(Islamic StateIS)」に加わろうとする英国出身の若者が数百人規模でシリアやイラクへ渡航しており、いずれ自国に戻って攻撃に及ぶのではないかという懸念が生じている。(c)AFP/James PHEBY