【6月11日 AFP】ローマ・カトリック教会のフランシスコ(Francis)法王は、聖職者による性的虐待を隠ぺいした司教を罰する教会内法廷の創設を承認した。バチカン(ローマ法王庁)が10日、明らかにした。

 この改革の下では、子供を性的に虐待した聖職者をかばったり、虐待の訴えに迅速に対応しなかった疑いのある司教は、「司教職務の乱用」として教会法により罪を問われることになる。

 また、この新たな体制を実施するため、フランシスコ法王は、異端対策のために創設されたバチカン教理省(Congregation for the Doctrine of the Faith)内に新しい法律部門を設立することを命じた。

 これに対し「聖職者による虐待被害者ネットワーク(Survivors Network of those Abused by PriestsSNAP)」のバーバラ・ブレイン(Barbara Blaine)氏は、「児童性的虐待を犯し隠している司教に、別の司教が対応する限り、ほとんど変化は起きない」と語った。

 これまでに児童性的虐待を隠ぺいしたとしてその職を解かれた司教はいない。(c)AFP/Angus MACKINNON