【6月9日 AFP】ウクライナ東部ドネツク(Donetsk)地方の町で8日、政府軍の兵士らを乗せた車が地雷を踏み、少なくとも7人の兵士が死亡した。同地域では最近、政府軍と親ロシア派武装勢力の戦闘が激化しており、4か月前に合意された停戦の破綻が危惧されている。

 政府軍の報道官はAFPの取材に対し、「敵がこの地域の道路に地雷を埋めている」と述べて親露派を非難した。現場は親露派が首都と位置付けているドネツクの西20キロにある人口約1万6000人のクラスノゴリウカ(Krasnogorivka)付近だという。

 これに対し親露派からのコメントは出されていない。過去には親露派側の方が、政府軍が地雷戦を仕掛けていると非難していた。

 今回の惨事を受けてウクライナのペトロ・ポロシェンコ(Petro Poroshenko)大統領に対しより強硬な軍事措置を講じるよう圧力が強まるものとみられ、旧ソ連構成国ウクライナのかつて工業地帯だった東部地域での全面的な武力衝突につながりかねない。

 ウクライナ政府と親露派の不安定な停戦合意は今年2月、ドイツとフランスの仲介で締結された。しかし前週、ウクライナ政府軍と親露派を隔てている曲がりくねった境界線にまたがる町で発生した衝突で約30人が犠牲になったことで、停戦合意は破綻の危機に直面している。(c)AFP/Yulia SILINA