■サッカーをしのぐ存在に?

 スポーツビジネス・コンサルタントのデビッド・カーター(David Carter)氏は、NBAが海外進出に向けて賢明にターゲットを絞っていると述べている。

 中国でのバスケットボール人気は歴史が長く、1979年に初めてNBAのスター選手を迎えて試合が行われた。

 また、ドイツ、スペイン、ブラジルを含めた他の海外市場では、数十年前からプロリーグが発足している。

 カーター氏は、「非常に有利な状況の中で、最大限の市場を確保している」とNBAの戦略を評した一方で、W杯という世界最大のスポーツイベントを開催するサッカーを追い抜くためには「長い道のりが待ち受けている」という。

 NBAのラロッカ氏は、サッカーW杯について「信じられないような世界的イベント」と述べる一方で、リーグの目標を達成するためには、バスケットボールでも同等の成功が「不可欠」だという考えを否定した。また、NBAが発展していくためには、草の根レベルで新市場に競技を広めていくことが必要だとしている。

 前週にインド北部の2都市で開催された「Jr. NBA」のプログラムでは、ブラーが英雄扱いで迎えられた。

 ラロッカ氏は、「世界規模になれば、最高レベルの選手を育成する土壌が拡大し、競技への関心を高めることができる」と語っている。

 身長226センチのブラーは、中国でバスケットボール人気の火付け役となった元NBA選手の姚明(Yao Ming、ヤオ・ミン)氏と存在が重なるものがある。しかしラロッカ氏は、外国人選手にとって必ずしも姚明氏のような卓越した才能は必要ないとしている。

「リーグには毎年、さまざまな国から選手がやってきて、全員がオールスター選手になるわけではありませんが、本国の市場には大きな影響を及ぼしています」

(c)AFP/John BIERS