【5月17日 AFP】12日に米東部フィラデルフィア(Philadelphia)近郊で発生したアムトラック(Amtrak)列車脱線事故の直前、何らかの物体が機関車に当たった可能性が浮上し、米運輸安全委員会(National Transportation Safety BoardNTSB)は15日、連邦捜査局(FBI)に調査への協力を要請した。

 NTSBのロバート・サムウォルト(Robert Sumwalt)氏はこの日の記者会見で、事故列車の車掌助手が脱線直前、運転士が何かに当たったと話すのを聞いていたこと明らかにした。車掌助手は鉄道無線で「石が当たったか、撃たれた」とする別のローカル列車の報告も聞き、これを受けて運転士が列車を緊急停止させたと語った。

 NTSBは、機関車前方の傷は物体が当たった痕跡である可能性があるとみて、この傷の調査についてFBIに「技術的支援」を要請した。サムウォルト氏によると、傷はフロントガラス左側にあり、「円形」で放射状だという。

 NTSBはツィッター(Twitter)への投稿で、無線報告があったローカル列車からビデオを入手し、詳しく調べる方針も明らかにしている。サムウォルト氏は、調査官らが発射物に関する報告をまだ確認しておらず、脱線事故がどのように起きたか何も結論を出していないと述べた。発射物が当たった衝撃が脱線にどのような影響を与える可能性があるかは不明。

 事故列車はワシントンD.C.(Washington D.C.)からニューヨーク(New York)に向かう途中、制限速度の2倍でカーブを走行中に脱線し、8人が死亡、200人以上が負傷した。運転士は、脱線直前の記憶がないとしている。(c)AFP