【5月17日 AFP】米ワシントン(Washington)州シアトル(Seattle)の港で16日、英蘭石油大手ロイヤル・ダッチ・シェル(Royal Dutch Shell)が北極海で実施する石油掘削事業に向けて同港に係留された石油掘削装置の近くに環境活動家らが小舟で集結し、抗議行動を行った。

 米紙シアトル・タイムズ(Seattle Times)によると、シアトルの港には同日、数百隻のカヤックやカヌー、ヨットに加え、「ピープルズ・プラットホーム(The People's Platform)」と名付けられた太陽電池式のはしけ1隻が集まり、黄色と白に塗られたシェルの石油掘削装置を取り囲んだ。同紙によれば、高さおよそ94メートルのシェルの石油掘削装置は14日、同港に到着していた。

 抗議行動の参加者たちは「シアトルに漕ぎ出せ」「気候のための正義」などと書かれたプラカードや旗を掲げ、シェルの計画を批判した。バラク・オバマ(Barack Obama)米大統領は今月、同社に北極海沖合でのボーリング調査を許可しており、活動家らの間では怒りが高まっていた。

 環境保護団体は、石油が流出すれば絶滅の危機が増大している北極圏の動物たちに危険が及ぶなどとして掘削事業に反対している。

 シェルは2013年、試掘用の掘削装置2基に複数の問題が生じたことから、アラスカ北極圏(Alaskan Arctic)での掘削計画を延期していた。(c)AFP