【5月11日 AFP】スペイン南部セビリア(Seville)近郊の空港近くで9日、試験飛行中のエアバス(Airbus)の軍用輸送機「A400M」が墜落し、4人が死亡した事故で、スペイン当局は10日、操縦室の2台の記録装置、フライトデータレコーダーとコックピットボイスレコーダーを墜落現場で発見したと発表した。

 公共事業省の声明によると、同記録装置2台は、事故の司法調査を指揮する判事に引き渡された。

 同機はエアバスグループが製造した兵員・車両輸送機で、6月にトルコ空軍に引き渡される予定だった。緊急着陸を試みていたとみられ、送電線に接触した後に墜落した。この事故で、同機に搭乗していた4人が死亡したほか、2人が負傷して病院に運ばれた。負傷した2人は重傷だが容体は安定している。

 英国、ドイツ、トルコは事故原因が判明するまでA400Mの運用を一時的に中止した。最も多く同型機を保有しているフランスは、現時点では運用を停止する予定はないとしている。

 今年3月に初めてA400Mを受領したマレーシアは、同型機の運用の継続または停止について立場を明らかにしていない。

 現在、A400Mは計12機が運用されている。国別の内訳はフランス6機、英国とトルコが各2機、マレーシアとドイツが各1機。(c)AFP/Daniel SILVA