米民間宇宙船「ドラゴン」、初の脱出機能の運用試験に成功
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【5月7日 AFP】(写真追加)米宇宙開発企業スペースX(SpaceX)の宇宙船「ドラゴン(Dragon)」は6日朝、宇宙飛行士の緊急脱出機能の初の運用試験に成功した。
曇り空の下、米フロリダ(Florida)州ケープカナベラル(Cape Canaveral)から人形を内部に入れて打ち上げられたドラゴンは時速0キロから160キロまで1.2秒で加速し、最高速度時速555キロに達した。
高度約1500メートルでドラゴンは胴体部を切り離し、3個のパラシュートを開いて大西洋(Atlantic Ocean)に着水。試験は2分以内に終了した。
スペースXのイーロン・マスク(Elon Musk)最高経営責任者(CEO)は、「人間が乗っていたら、申し分ない状態だっただろう」と述べた。
緊急時の脱出機能は米国のマーキュリー(Mercury)計画やアポロ(Apollo)計画の宇宙船や、ロシアの宇宙船にも備えられていたが、これらはいずれも打ち上げ直後にしか機能しない。
米国製のスペースシャトルは、飛行中に飛行士が脱出できる設計になっていなかった。1986年にはチャレンジャー(Challenger)号の打ち上げ直後の爆発で7人、2003年にはコロンビア(Columbia)号の大気圏再突入時の事故で7人が死亡している。
ドラゴンによる初の有人飛行は2017年に予定されている。(c)AFP/Kerry SHERIDAN