【4月27日 AFP】ネパールで25日に発生した大地震を受け、世界各国の支援団体や政府による支援が続いているが、現地では道路が遮断されている上に、停電も発生、各病院は負傷者で満杯となっており、貧困にあえぐ同国は非常に大きな課題を突き付けられている。

 米国や欧州、アジアの各国は、生存者の救出のため、大きな被害を受けた首都カトマンズ(Kathmandu)や孤立した農村地域に救助隊を派遣した。

 オーストラリア赤十字(Red Cross)は声明で、「悲惨にも、倒壊した建物からは1時間ごとにさらなる遺体が運び出されている」「多くの地域で通信が不能な状態となっている。広範囲にわたる被害やがれき、地滑りによって、支援を必要としている多くの村々への経路が阻まれている」と発表した。

 人道支援団体「プラン・インターナショナル(Plan International)」のマイク・ブルース(Mike Bruce)氏によると、農村部の他、一部の比較的大きな町を含む多数の地域で地滑りが発生し、道路が遮断されているという。

 同氏は、携帯電話のネットワークは26日午後までに復旧したもようだが、その範囲は限定的だと説明。「人々は路上で寝泊まりし、屋外で炊事している。これは、ネパールの中でも非常に貧しい地域、すでに困難な状況にある地域での話だ」と述べた。

 他の人道支援団体は、生活必需品がすぐに底をついてしまうことを懸念する声や、地震発生後の悲惨な状況を伝えている。

 地震発生時にカトマンズ郊外にいたという慈善団体「カリタス・オーストラリア(Caritas Australia)」のプログラム・コーディネーター、エレノア・トリンチェラ(Eleanor Trinchera)氏は、「恐ろしい被害状況を目の当たりにした。病院からは人々が避難し、患者らは地面の上で治療を受けていた。家やビルは崩れ落ち、道路に大きな地割れができていた」と語った。

 支援団体によると、被災地では電力に続き水も間もなく不足する見込みで、医療用品の不足も懸念されている。また人道支援を行う非政府組織「オックスファム(Oxfam)」は、遺体安置所も満杯になりつつあるとしている。

 インドのナレンドラ・モディ(Narendra Modi)首相は、毎月恒例のラジオ番組で、「現在も多くの人たちが、がれきの下に生き埋めになっている」と述べ、こうした人々の救出が最優先課題であることを明らかにした。(c)AFP/Jennifer O'MAHONY