【4月20日 Relaxnews】イタリアの鉄道当局は、廃線となっていた4本の路線を改装し、絶景が楽しめるルートに1920年代のビンテージ蒸気機関車を走らせることで、観光客を誘致する試みを進めている。

 関係者によると、今回の試みは、スローフード運動に触発された「スローツーリズム」の形成が目的で、歴史、地理、産業など、地方のさまざまな遺産をアピールすることが狙いだ。

 ダリオ・フランチェスキー二(Dario Franceschini)文化相は「これは持続可能な観光モデル。こうしたモデルは、料理やファッション、ショッピング、風景だけでなく、文化芸術の面でも世界中の人々に提供できるものが数多くあるイタリアにとって、特に重要だ」と語った。

 観光シーズンに合わせて開業した4路線の乗車時間は20分から3時間。週末にトスカーナ(Tuscany)州オルチャ渓谷(Val d'Orcia)の青々とした丘を通る路線に乗車したフランチェスキー二文化相は、「歴史的な列車から見る美しい景色──それはイタリアが今、力を入れている新たな分野だ」と語った 。

 他にも、ミラノ(Milan)の北東にあるイゼーオ湖(Lake Iseo)を囲む山々を通る路線や、中部アブルッツォ(Abruzzo)州の山々を通る路線、シチリア島(Sicily)南岸のアグリジェント(Agrigento)市周辺を通過する路線がある。(c)Relaxnews/AFPBB News