【4月7日 AFP】マリ北部で作戦中だったフランス軍の特殊部隊は6日、約4年前からイスラム過激派組織「イスラム・マグレブ諸国のアルカイダ組織(Al-Qaeda in the Islamic MaghrebAQIM)」の人質になっていたオランダ人男性を発見し、救出した。仏国防省が発表した。仏軍は事前にこの男性の存在を把握していなかった。

 仏国防省の発表によると、救出されたのは2011年11月にマリ北部のトンブクトゥ(Timbuktu)で拉致されたシャーク・レイケ(Sjaak Rijke)さん。「仏軍の特殊部隊が実施した軍事行動」のさなかに解放された。レイケさんは「無事」だという。

 仏特殊部隊は同日未明、AQIMに対する軍事作戦を実施した。この作戦でイスラム過激派の数人を殺害し、別の数人を拘束したとしている。

 フランソワ・オランド(Francois Hollande)仏大統領は、救出されたレイケさんは安全な場所に移送されたこと、またこの作戦でイスラム過激派とみられる多数の戦闘員を殺害したことを発表した。オランド大統領によると、特殊部隊は作戦開始前にレイケさんの居場所を把握していなかったと述べた。

 レイケさんの健康状態は良好かという質問に対しオランド氏は、「4年間も捕らわれていたことを思えば良い方だ」と答えた。

 オランド氏は、レイケさんの存在に関する「情報を事前に入手していなかった」として、「われわれの部隊にとって、人質を解放できたことは驚きだった」と認めたが、それ以上の詳細には触れなかった。

 国連(UN )がマリに派遣している軍事使節団のある関係者はAFPに対し、「同作戦中にイスラム過激派戦闘員が少なくとも3人殺害された」として、「仏部隊は大きな危険を冒した」と指摘した。

 オランダのベルト・クーンデルス(Bert Koenders)外相は、レイケさんは「状況を鑑みれば元気にしている」と明かした。さらに、「シャークと家族にとってこの上ない朗報になった」として、「この不安定で苦悩に満ちたつらい日々が終わったことをうれしく、またありがたく思っている」と述べた。(c)AFP/Michel MOUTOT