【4月3日 AFP】辛辣(しんらつ)な政権批判で知られるマレーシアの風刺漫画家ズナール(Zunar、本名ズルキフリー・アンワル・ウルハケ Zulkifli Anwar Ulhaque)氏が3日、9件の扇動罪で起訴された。ズナール氏の弁護士によれば、1度に9件の扇動罪で起訴されるのはマレーシア史上最多だという。

 これまでにも作品数点が禁止措置になったり、扇動罪で起訴されたりしているズナール氏だが、今回の起訴は、2月に野党・人民正義党(PKR)の指導者アンワル・イブラヒム(Anwar Ibrahim)元副首相に、同性愛行為による罪で有罪判決が下されたことをツイッター(Twitter)で批判したことが対象となった。

 受刑者が着用するような服と手錠姿でクアラルンプール(Kuala Lumpur)の裁判所に姿を現したズナール氏は、「政府は本気でわたしの政権批判を止める気だ。(起訴は)政治的動機によるものだ」と述べ、記者らを前におどけてみせた。

 扇動罪は有罪となれば、1件で禁錮3年の刑が科せられる可能性がある。(c)AFP