【4月2日 AFP】バラク・オバマ(Barack Obama)米大統領は1日、サイバー攻撃で利益を得ようとする国内外のハッカーや企業に対し資産凍結などの制裁を科す権限を財務省に与える大統領令に署名した。

 オバマ大統領はウェブサイト「ミディアム(Medium)」への寄稿で、「われわれの重要なインフラへの損害、コンピューターネットワークの破壊や乗っ取り、米企業秘密や米国民の個人情報の窃盗により利益を得る目的で、われわれの安全や経済に重大な脅威をもたらすものに対し、本日、通告を与える」と宣言。制裁は、「盗んだ企業秘密を故意に使用して米国の経済の健全性を損なう企業」とハッカーの両者を対象にするとつけ加えた。

 オバマ大統領は声明の中で、米国を攻撃している者の中には中国とロシア、イランのハッカーらがいると指摘し、「悪人を捕まえるのがしばしば困難な理由には、外国の法執行が徹底されていないことや、一部の国の政府に犯人を厳しく取り締まる意志または能力がないことがある」と述べた。

 米国では最近、米映画製作大手ソニー・ピクチャーズエンタテインメント(Sony Pictures Entertainment)のネットワークへのサイバー攻撃や、米国民数百万人のクレジットカードや健康情報のデータ盗難といった事件が起きている。

 この大統領令により米財務省は、金融機関や電力などの「きわめて重要な」国内コンピューターネットワークに対する攻撃や、クレジットカード情報などの窃盗に関与した者、またはそうした攻撃で利益を得ている企業の資産を凍結または封鎖することが可能となる。(c)AFP/Rob Lever