【4月1日 AFP】米国の大学生活に欠かせない友愛クラブでの活動で、性的暴行や人種差別といった不祥事が明るみになり、「グリーク・ライフ(Greek life)」と称されるクラブ活動に暗い影を投げ掛けている。一部では、米国の建国時代にまでその伝統をさかのぼる友愛クラブの存続を危ぶむ声も出てきている。

 米国ではここ数週間、複数の友愛クラブが不祥事により活動停止、もしくは解散に追い込まれ、米高等教育専門紙「クロニクル・オブ・ハイアー・エデュケーション(Chronicle of Higher Education)」はそのペースが「尋常ではない」と指摘している。

 オクラホマ大学(University of Oklahoma)では、友愛クラブ「シグマ・アルファ・イプシロン(Sigma Alpha Epsilon)」のメンバーたちが、黒人を差別するタブー語を使ったり、リンチを迫りながら人種差別的なスローガンを叫び、この様子を撮影した動画が全米で激しい怒りを巻き起こした。クラブは早急に閉鎖され、2人の学生が退学処分を受けた。

 また、ペンシルベニア州立大学(Pennsylvania State University)の友愛クラブ「カッパ・デルタ・ロー(Kappa Delta Rho)」は、このクラブが主催したパーティーに参加した女性たちが裸で意識を失っている画像を交流サイトのフェイスブック(Facebook)上に掲載し、警察が捜査を行う中、1年間の活動停止処分を受けた。

 友愛クラブの泥酔状態のパーティーや新入生しごきの儀式から発展した性的暴行、事故や時には死亡事件までが、ここ数年、定期的に米国のメディアを賑わせている。

 米誌ローリング・ストーン(Rolling Stone)が報じたバージニア大学(University of Virginia)の集団レイプでは、記事に事実誤認があったことが判明したものの、全米中で大学内での性的暴行に関する議論が沸き起こった。