【3月28日 AFP】(一部更新)ナイジェリア軍は27日、大統領選の投票を翌日に控えて緊張が高まる中、イスラム過激派組織「ボコ・ハラム(Boko Haram)」の要衝グウォザ(Gwoza)の奪回に成功したと発表した。

 有力な野党候補者の挑戦を受けつつも今回の大統領選で再選を目指しているグッドラック・ジョナサン(Goodluck Jonathan)大統領は6年前から続いているボコ・ハラムの武力行動を止めるには至っていない。ボコ・ハラムの攻撃によってこれまでに1万3000人以上が死亡しているが、グウォザを失ったことはボコ・ハラムにとってこれまでで最大の打撃となった。

 グウォザ奪回はナイジェリアの首都のアブジャ(Abuja)で発表されたが、首都の中心部に人影はほとんどなかった。ジョナサン大統領と野党候補の両陣営は大統領選で勝利すると公言しており、多くの人が投票後に騒乱が起きると予想しているためだ。

 選挙戦ではボコ・ハラムへの対応が争点になった。野党・全革新会議(All Progressives CongressAPC)の大統領候補で、かつて独裁者としてナイジェリアの軍事政権を率いたムハンマド・ブハリ(Muhammadu Buhari)氏はジョナサン大統領の治安対策を批判している。

 ブハリ氏は選挙運動期間最終日の26日、大統領になれば軍と治安機関の立て直しを新政権の「最優先事項」にして「ナイジェリアを二度とテロリストの安全地帯にはさせない」と述べ、昨年4月にボコ・ハラムによって誘拐された219人の女子生徒を保護し、家族と再会させると約束した。

 ナイジェリア北東部ボルノ(Borno)州のチボク(Chibok)でボコ・ハラムに拉致された女子生徒たちは、グウォザで拘束されていると示唆する報道もあったが、グウォザの住民2人はAFPに対し、女子学生がグウォザにいたことを示す兆候はなかったと語った。