【3月25日 AFP】コンゴ民主共和国北東部にあるガランバ国立公園(Garamba National Park)の管理当局は23日、ここ2週間余りで同国立公園のゾウ30頭が象牙を狙う密猟者らにより殺されたことを明らかにした。

 政府と共同でガランバ国立公園を運営する非営利団体「アフリカン・パークス(African Parks)」のジャン・マルク・フロマン(Jean Marc Froment)代表によると、絶滅の危機に瀕しているこれらのゾウは、スーダン人民兵らに殺されたとみられる。フロマン氏は、「同国立公園に入った北のスーダン人たちが少人数のグループに分かれて密猟を行い、15日間で30頭を殺した」との見方を示した。

 ガランバ国立公園には約1700頭のゾウが生息すると推定されている。フロマン氏によると、同公園が狙われるようになった背景には、中央アフリカ共和国とコンゴ北部で野生のゾウの生息数が減少したことがあるという。

 2012年にはカメルーン北部のブバ・ナージダ国立公園(Bouba N'Djida National Park)で、スーダン人密猟者グループが10週間で最大300頭のゾウを殺す事件が発生。これら密猟者の中には、政府機関の制服を着た者や、軍の身分証明書を携帯する者もいた。

 さらに、多数の子どもを拉致して戦闘員に加えていることで知られるウガンダの反政府武装勢力「神の抵抗軍(Lord's Resistance ArmyLRA)」もまた、ガランバ国立公園で密猟を行ってきた。

 ボツワナで23日に開催されたアフリカ・ゾウ・サミット(Africa Elephant Summit)では、専門家らが「われわれが生きている間にも」アフリカゾウが野生から姿を消す可能性があると警告した。(c)AFP