【2月22日 AFP】米黒人市民権運動団体「LAアーバン・ポリシー・ラウンドテーブル(LA Urban Policy Roundtable)」は、22日に開催されるアカデミー賞(Academy Awards)授賞式の会場周辺で、今年の演技賞部門にノミネートされた20人が全て白人だったことに対する抗議行動を行う予定だ。

 抗議行動自体は小規模なものだが、アカデミー賞の選考と授与を行う映画芸術科学アカデミー(Academy of Motion Picture Arts and Sciences)の投票権を持つメンバーのほとんどが白人で、その平均年齢も60代と高いことについての議論が再燃しそうだ。

 LAアーバンのアール・オファリ・ハッチンソン(Earl Ofari Hutchinson)会長は、「抗議行動の目的はアカデミー、ハリウッド、そして映画業界にメッセージを送ることだ」と述べた。「そのメッセージはシンプルだ。あなた方とあなた方の業界は米国の実態を反映していない。ハリウッドでは女性やヒスパニック、アフリカ系米国人、有色人種が無視されている」

 2002年に米女優ハル・ベリー(Halle Berry)と米俳優デンゼル・ワシントン(Denzel Washington)がアカデミー賞の主演女優賞と主演男優賞をそれぞれ受賞したが、それから10年以上たった今もアカデミー賞の白人優位の状況にほとんど変化はみられない。

 今年1月に発表されたアカデミー賞の候補者の中で、演技部門にノミネートされた全員が白人だったことに批判が起きた。

 映画『セルマ(Selma)』は作品賞候補8作品の1つに選ばれたが、同作でマーティン・ルーサー・キング(Martin Luther King Jr.)牧師を演じ演技部門で有力視されていた英俳優のデヴィッド・オイェロウォ(David Oyelowo)とエヴァ・デュヴルネ(Ava DuVernay)監督は個人としてはノミネートされなかった。