【2月18日 AFP】世界最高峰エベレスト(Everest、8848メートル)で同山過去最悪となる16人のネパール人登山ガイドが死亡した昨年の雪崩事故を受け、ネパール当局は18日、エベレストの登山ルートを変更すると発表した。

 新たなルートは、エベレストのベースキャンプのすぐ上にあるクンブ氷瀑(ひょうばく、Khumbu Icefall)の中央を通り、昨年、雪崩事故が起きた氷瀑の左側のルートを避けるもの。

 エベレストの登山ルート設定を担うサガルマタ汚染管理委員会(Sagarmatha Pollution Control Committee)のヤンギー・シェルパ(Yangee Sherpa)氏はAFPの取材に、「雪崩による災害の危険性を最小限に抑えるために、(氷瀑の)中央部にルートを設ける」と説明し、「シーズン開始に必要な設備はすでに準備した」と語った。

 登山家のためにエベレストの環境整備をするシェルパの精鋭たち「アイスフォールドクター」が来月エベレストに行き、1990年代以降使われていなかったルート沿いのロープを修繕する予定。

 エベレストを8回登頂したターシ・シェルパ(Tashi Sherpa)氏は新たなルートについて、氷の崖やぶら下がった氷河などがないので、危険性が低いと語った。こういった崖や氷河は、特に春先の暖かくなる時期などに突然崩れることがあり、落石や雪崩を引き起こす。

「登山は多少難易度が上がるが、上から落ちてくる氷や雪による事故の危険性は低くなる」と、シェルパの一人はAFPに語った。

 ガイド16人が死亡した雪崩事故により、昨年の春のシーズンのエベレスト登山は閉鎖を余儀なくされた。(c)AFP