【2月12日 AFP】日本サッカー協会(JFA)が日本代表の新監督探しで沈黙を貫く中、イタリア・セリエAのASローマ(AS Roma)を率いた経験を持つイタリア人のルチアーノ・スパレッティ(Luciano Spalletti)氏が12日、その有力候補に挙がった。

 直近ではゼニト・サンクトペテルブルク(Zenit St. Petersburg)を率いてロシア・プレミアリーグで2度の優勝を飾っている55歳のスパレッティ氏が、スペインでの指揮官時代の八百長関与が疑われて今月解任されたハビエル・アギーレ(Javier Aguirre)前監督の後任候補に浮上した。

 JFA側は新監督の身元について内密にしているものの、メディア側は様々な憶測を報じており、JFAには6月に始まる2018年W杯ロシア大会(2018 World Cup)の予選開始前にアギーレ氏の後任を指名するというプレッシャーがかかっている。

 JFAの広報担当は、「次期監督の件についてはまだ決まっておらず、現時点ではコメントは差し控えさせていただきます。3月の親善試合前の決定が理想的ですが、まだ検討中です」とコメントしている。

 第16回アジアカップ(2015 AFC Asian Cup)の準々決勝でアラブ首長国連邦(UAE)に敗れた日本代表は、3月27日にチュニジアと対戦し、31日にも親善試合を行う。

 Jリーグを視察する時間を作るためにも、JFAは6月より前に新監督決定することを切望している。

 国内メディアは、JFAがイタリア人指揮官の代理人と接触しており、数日以内に交渉を行うと報じている。

 一方で、スペイン1部リーグのレアル・マドリード(Real Madrid)やFCバルセロナ(FC Barcelona)でプレーしたミカエル・ラウドルップ(Michael Laudrup)氏や、元イングランド代表のグレン・ホドル(Glenn Hoddle)氏、フェリックス・マガト(Felix Magath)氏も候補に挙がっている。

 ラウドルップ氏は、イングランド・プレミアリーグのスウォンジー・シティ(Swansea City)を2年率いた後、昨年解任され、現在はカタールリーグのレフウィヤSC(Lekhwiya SC)で指揮を執っている。1996年から97年にはJリーグのヴィッセル神戸(Vissel Kobe)でも選手として活躍し、クイーンズ・パーク・レンジャーズ(Queens Park RangersQPR)も招聘(しょうへい)を狙っている。

 スパレッティ氏は2009年にASローマからゼニトの指揮官に就任し、リーグ戦2度の優勝に加え、ロシア杯(Russian Cup)やロシアスーパー杯(Russian Super Cup)を制覇した。

 また、2011-12シーズンにはゼニトをクラブ史上初めて欧州チャンピオンズリーグ(UEFA Champions League 2011-12)の決勝トーナメントに導いたものの、昨年はスランプに陥り、ロシア国営ガス会社ガスプロム(Gazprom)が所有するクラブが契約を打ち切って解任となった。(c)AFP