【1月20日 AFP】政府軍と親ロシア派武装勢力との戦闘が激化しているウクライナ東部ドネツク(Donetsk)で19日、市の中心部にある病院に砲弾が撃ち込まれ、周辺地域を支配する親露派によると医師1人と患者5人が負傷した。親露派が住宅地から攻撃を仕掛け、政府軍が応戦しているとの情報もあり、民間人にさらなる被害が及ぶ恐れが高まっている。

 砲撃を受けた病院では、建物の正面が損傷し、爆風で窓が吹き飛ばされた。病院の向かいにある大学の一室にも窓を破って着弾したが、目撃者によると、学生たちは15分前にその部屋を出ていたため大学では奇跡的に負傷者は出なかった。周辺住民の間では、近くにある親露派の治安当局庁舎を狙った砲撃だったとの臆測が広まっている。

 ウクライナ政府は、ロシア政府が再び数百人の兵士と重火器をウクライナ領内に派遣し、親露派を支援していると非難した。昨年9月に親露派とウクライナ政府との間で交わされた停戦合意は、ここ最近の衝突により事実上破綻した格好となっている。

 ウクライナ軍は先週末、親露派の掃討を目的とした大規模な反攻を開始。ウクライナ東部では以降、戦闘が激化し、軍の発表によるとこの24時間で少なくとも兵士3人が死亡、66人が負傷した。

 ウクライナ軍はドネツクの国際空港を支配下に置いていると発表したが、親露派側はこれを否定。現場にはジャーナリストが立ち入れないため、事実関係を確認することができない状態となっている。(c)AFP/Laetitia Peron