【12月31日 AFP】英紙ガーディアン(Guardian)は29日、今年度の最優秀通信社カメラマンに、シリアとの国境地域やウクライナ、トルコなどで報道写真を撮影したフランス通信(Agence France-PresseAFP)のビュレント・クルチ(Bulent Kilic)氏(35)を選んだ。

 ガーディアンはクルチ氏の授賞発表とともに、ウクライナ・キエフ(Kiev)で反政権デモ隊が築いたバリケードが炎上する写真や、イスラム過激派組織「イスラム国(Islamic StateIS)」から逃れるためシリアから国境を越えてトルコに避難してきたクルド人家族の写真など、同氏が撮影した写真15点をウェブサイト上に掲載した。

 トルコのイスタンブール(Istanbul)を拠点とするクルチ氏は2014年、ウクライナでの親ロシア政権に抗議する反政権デモの取材を皮切りに、5月には母国トルコで301人の死者を出した炭鉱爆発事故を取材。夏には再びウクライナに飛び、乗客乗員298人が死亡したマレーシア航空(Malaysia Airlines)MH17便の撃墜事件を取材した。

 10月には、有志国連合によるシリア北部での空爆の瞬間と「イスラム国」戦闘員が逃げ惑う姿を、望遠レンズを用いてシリア国境に近いトルコ側の丘から捉えることに成功している。

 クルチ氏は、今月初めにも米誌タイム(Time)の2014年最優秀報道カメラマン(Best Wire Photographer for 2014)」に選出されている。 (c)AFP