【12月30日 AFP】ギリシャ議会は29日、現大統領の後任を選ぶための投票を行ったが、政府擁立の候補は十分な票を得られず、新大統領の選出には至らなかった。この結果を受け、アンドニス・サマラス(Antonis Samaras)首相は、議会の解散と来月の総選挙実施を発表した。この選挙では、同国で反緊縮策を掲げる急進政党が勝利する可能性も浮上してきた。

 議会は、カロロス・パプリアス(Karolos Papoulias)大統領の後任を選ぶための3回目の投票を行ったが、政府が推していたスタブロス・ディマス(Stavros Dimas)元欧州委員は必要な180票に満たない168票しか得られなかった。同国憲法はこの場合、議会を10日以内に解散することを義務付けている。

 ギリシャは2012年、国の財政危機でユーロ圏を危機的状況にまで追い込んだが、来月25日の投票が見込まれる総選挙でも世界の金融市場をさらに揺るがす恐れがある。

 29日、株価指数が急落し、同国に新たな危機の発生を指摘する専門家もいる中、サマラス首相は記者団に対し「私は親欧派に多大な信頼を置いており、わが国が必要する構造改革を目指してきたこれらの勢力が勝利するだろう。私は非常に楽観している」と述べ、有権者は財政改革の断行継続を支持するはずだという見方を示した。

 この日の株価は一時前日比11%まで急落し、最終的には4%下げて取引を終えた。この背景には、もし現在優勢である極左政党の急進左派連合(SYRIZA)が来月の総選挙で勝てば、厳しい緊縮策が撤回されかねないという懸念が広がったことが挙げられる。同日、欧州内の主要株式市場も軒並み下落しており、一部のアナリストからはギリシャ市場から悪影響が広がることを危惧する声も上がっている。

 急進左派連合は先に、今回の投票結果次第で市場の混乱を招きかねないという警告については一蹴していたが、国際通貨基金(International Monetary FundIMF)は解散・総選挙発表の数時間後に、新政府が樹立されるまではギリシャに対する救済資金の支払いを凍結すると発表した。(c)AFP/John HADOULIS