【12月13日 AFP】14-15フィギュアスケートのグランプリ(GP)ファイナルは12日、スペインのバルセロナ(Barcelona)で男子シングル・ショートプログラム(SP)が行われ、羽生結弦(Yuzuru Hanyu)が94.08点で首位発進を果たした。

ソチ冬季五輪と世界フィギュアスケート選手権(ISU World Figure Skating Championships 2014)覇者の羽生は、シーズン序盤の頭部負傷による懸念を払拭した。

 20歳の羽生は、中国杯(ISU Grand Prix of Figure Skating Cup of China 2014)で頭をけがしながらも2位に入り、無理を押して出場したNHK杯(NHK Trophy 2014)で4位に滑り込んでファイナル出場を決めていた。

 フレデリック・ショパン(Frederic Chopin)の「バラード第1番(Ballade No.1)」に乗せた演技で、羽生は1度転倒したものの、87.82点の町田樹(Tatsuki Machida)に6.26点差をつけた。3位には87.02点でロシアのマキシム・コフトゥン(Maxim Kovtun)がつけている。4位には84.48点でロシアのセルゲイ・ボロノフ(Sergei Voronov)、5位には79.18点でスペインのハビエル・フェルナンデス(Javier Fernandez)、6位には78.35点で無良崇人(Takahito Mura)が続いている。

 羽生は冒頭に4回転トーループをみせると、トリプルアクセルを決めた。その後、3回転、3回転のコンビネーションジャンプで転倒したものの、よどみない演技を披露した。

 GPシリーズの結果から珍しく1番滑走となった羽生は、「リラックスして、ゆったりできていましたし、自分のスケートに満足です。ハビエルへの声援がすごかったですけど、滑るのはの怖くはなかったです。ただただ、滑りたかった。小さかった頃の気分でした。なによりスケートを愛してました」と語った。

 トロント(Toronto)で羽生とともに練習を行うフェルナンデスは、地元の期待を背負ったものの5位に沈んだ。

 欧州選手権(ISU European Figure Skating Championships 2014)で2連覇を達成したフェルナンデスは、ラム・ジャム(Ram Jam)の「ブラック・ベティ(Black Betty)」に乗せた演技の冒頭で4回転サルコーに失敗。2度目の3回転ルッツのコンビネーションジャンプが2回転となると、さらにステップでもミスが出て2点減点となった。

 世界フィギュアで銀メダルを獲得した町田は、4回転トーループと3回転トーループの着氷で問題を抱えたが、トリプルアクセルを決めるとプログラム後半の3回転ルッツで加点した。

 町田は、「ベストな状態とは言えないです。GPシリーズの間隔が短かったので、精神的にも肉体的にも厳しかったです。今朝の練習は絶望的でした」と語った。(c)AFP/Emmeline MOORE