■規制の難しさ

 全米消費者連盟(National Consumers League)のジョン・ブレヨート(John Breyault)氏は「ウーバーやリフト(Lyft)のような『共同利用プラットホーム』と呼ばれるものは、従来と異なっているものであるため規制当局に懸念されている」、「過去1世紀にわれわれが知っている規制の枠組みにはきれいに収まらない。そのため、ニューデリーで起きたような出来事への対応が困難であり、責任の所在が不明瞭だ」と語る。

 ウーバーは、技術の発展を活用して新手のサービスを提供する「ディスラプティブ(従来の価値観を覆す)」タイプのビジネスモデルの典型例だ、とブレヨート氏は述べる。その上で同氏は、規制当局が保険や法的責任の所在、運転手の身元調査に関連した問題をしっかりと検討しなければならないと付け加えた。

 一部のウーバー支持者は、利用者によるレビューで質の悪い運転手は排除され良い運転手が残るとして、ウーバーのシステムが実質的に自己規制能力を備えていると主張している。だがブレヨート氏は、「(レビューは)悪質な者を排除し良質な者を残す上で強力な役割を果たすことができるものの、堅固な消費者を保護する規制の代わりを務めることはできない」と指摘した。

 ウーバーや類似企業はスマートフォン(多機能携帯電話)向けアプリを提供し、そのアプリがなければ実現不可能だった運送を可能にするだけでなく、そのアプリがなければ未使用だったはずの自動車を活用して収入を得たり、本業にしたりする道を開いた。ウーバーの創業者トラビス・カラニック(Travis Kalanick)氏の先週のブログ記事によると、ウーバーは現在、50か国250都市で営業中だ。(c)AFP/Rob Lever