【12月10日 AFP】自転車ロードレースの三大ツール(グランツール)の一つ、ツール・ド・フランス(Tour de France)の大会主催者が9日、2016年大会の序盤3ステージの概要を発表し、世界遺産モンサンミッシェル(Mont Saint-Michel)がスタート地点となることを明らかにした。

 主催企業のアモリ・スポル・オルガニザシオン(ASO)は2週間前、2016年大会はフランス北部のマンシュ(Manche)がスタート地点になると発表していたが、この日の会見で、自転車ロードレース界最大の権威を持つ大会が、丘の上の修道院で名高いモンサンミシェル島で7月2日に開幕するとの詳細が明かされた。

 第1ステージは、スプリンター向けの188キロメートルのステージで、ユタ・ビーチ(Utah Beach)がゴール地点となる。ユタ・ビーチは、第二次世界大戦中の1944年、連合国軍がノルマンディー(Normandy)上陸を果たした5地点の1つとして知られている。

 第2ステージもサン・ロー(Saint-Lo)からシェルブール(Cherbourg)までの182キロメートルと、同じくマンシュ県内で争われる。山頂フィニッシュに至るまでの道のりには、傾斜14度の強烈な上り坂もあり、「パンチャー」にとっては総合順位をかき乱すチャンスとなる。

 第3ステージも同じマンシュのグランヴィル(Granville)からスタートし、その後レースは、史上初めて「グランデパール」の舞台に選ばれた同地を離れて進行していく。

 現時点では、第3ステージのスタート地点以降の詳細は発表されていない。2016年大会の全日程については、2015年10月20日に発表される予定となっている。

 モンサンミシェルはこれまで2度、ツールのステージのゴール地点に選ばれたことがあり、個人タイムトライアルステージとなった2013年大会では、世界選手権を3度制している同フォーマットのスペシャリスト、トニー・マルティン(Tony Martin)がステージ優勝を果たした一方、クリス・フルーム(Chris Froome)がマイヨ・ジョーヌ(総合首位)の座を確固たるものとした。

 その前の1990年大会では、こちらも世界選手権を制した経歴を持つヨハン・ムセウ(Johan Museew、ベルギー)がステージ優勝を飾っている。

 来年行われる2015年大会は、オランダのユトレヒト(Utrecht)から7月4日にスタートする。(c)AFP