【12月10日 AFP】国際オリンピック委員会(IOC)は9日、コソボの選手が2016年のリオデジャネイロ五輪に参加することを正式に認めた。

 2008年にセルビアから独立を宣言したコソボの五輪出場が認められたことについて、同国オリンピック委員会のベジム・ハサニ(Besim Hasani)会長は、「今日は重要な日になった」とし、「コソボのオリンピック・ムーブメントは新たな時代の幕開けを迎えた」と表現した。

 同案が全会一致で承認された後、IOCのトーマス・バッハ(Thomas Bach)会長は、「これでリオに向けて準備できますね」とコメントした。

 バッハ会長は、セルビアが「アスリートのために」コソボの参加を認めたとしているが、セルビアのイビツァ・ダチッチ(Ivica Dacic)外相は「決定に断固として反対」するとし、「スポーツを乱用すると同時に政治的に利用している」と非難した。

 ダチッチ外相は声明で、「とうてい容認できず、五輪憲章に反していると認識している」と述べた。五輪憲章は、新たな参加国は「国際社会に認められた独立国」であるべきだと定めている。

 コソボの首都プリシュティナ(Pristina)では、同国のメミリ・クラスニチ(Memli Krasniqi)スポーツ大臣が、IOCの決定により「20年間にわたりコソボのスポーツ社会を苦しめてきた不平等な扱いや差別、孤立がようやく終わる」とコメントした。(c)AFP