【12月10日 AFP】2011年にマリでイスラム過激派組織に誘拐され、近年誘拐されたフランス人としては最後まで人質にされていたセルジュ・ラザレビッチ(Serge Lazarevic)さん(51)が解放されたと、フランソワ・オランド(Francois Hollande)仏大統領が9日、発表した。

 ラザレビッチさんは2011年11月24日、同じくフランス人のフィリップ・ベルドン(Philippe Verdon)さんと共に出張旅行でマリを訪れていた際、武装集団に誘拐され、イスラム過激派組織「イスラム・マグレブ諸国のアルカイダ組織(Al-Qaeda in the Islamic MaghrebAQIM)」が犯行声明を出していた。

 ラザレビッチさんは、ニジェールのマハマドゥ・イスフ(Mahamadou Issoufou)大統領と面会後、「体重が20キロほど減ったが、元気だ」と語った。

 解放の詳しい経緯は明らかにされておらず、フランス政府が身代金を払ったのかどうかも不明だが、ラザレビッチさんはニジェール政府の協力に感謝の意を示している。またマリ治安当局筋によると、解放の最終段階はマリ北部の砂漠の都市キダル(Kidal)で行われたという。

 ラザレビッチさんは、近年国外で誘拐されたフランス人十数人の最後の1人だった。アフリカで誘拐されたフランス人の数は、昨年のピーク時には15人となっていた。今年に入ってからは、シリアの過激派に誘拐されたジャーナリスト4人が解放されている。ラザレビッチさんと共に誘拐されたベルドンさんは昨年、射殺体で発見されている。(c)AFP/Fran BLANDY, Sabine WIBAUX