【12月9日 AFP】米国で白人警察官が相次いで黒人容疑者を死亡させたことに抗議して、米カリフォルニア(California)州では7日夜も、バークレー(Berkeley)やオークランド(Oakland)で数百人がデモを行った。デモは8日未明まで続いた。

 バークレー警察によると、約600人のデモ参加者の一部が瓶を投げたりごみ箱をひっくり返して火をつけたりするなど暴徒化。5人が逮捕され、警察官2人が負傷した。また、少なくとも市民1人が商店の略奪を止めようとして暴行されたという。

 だが、ほとんどのデモ参加者は「殺人警官を刑務所へ」「警察は蛮行と殺人をやめろ」などと書かれたプラカードを掲げて平穏に行進し、路上に身を横たえる抗議行動「ダイ・イン」を行った。

 バークレーで前日6日に行われた抗議デモでは、一部参加者が物を投げたり店舗の略奪や車両の破壊をしたりするなど暴徒化し、警官隊が催涙ガスを用いて鎮圧した。警察発表によると警官数人が負傷したという。

 一方、ニューヨーク(New York)では抗議デモが5日目の夜に突入。中心部では商業活動や交通に影響が出ている。

 米国では今年、8月にミズーリ(Missouri)州ファーガソン(Ferguson)で武器を持たない黒人青年を白人警官が射殺。7月にもニューヨークで、たばこの違法販売容疑をかけられたエリック・ガーナー(Eric Garner)さん(43)が白人警官に地面に押し倒されて窒息死する事件があったが、いずれの警察官も不起訴となったことから、この2週間で抗議のデモが全米に拡大している。

 ほかにも先月20日、ニューヨーク市ブルックリン(Brooklyn)地区で黒人男性、アカイ・ガーリー(Akai Gurley)さん(28)が交際相手の女性とアパートの薄暗い階段にいたところを警察官に射殺された。この警察官を起訴するか審理する大陪審が今後行われる予定だ。(c)AFP/Jenny VAUGHAN