【12月9日AFP】台風、ハリケーン、そしてサイクロン──被害を及ぼす地域によってその呼び名は変わるものの、すべて強力な熱帯性低気圧だ。

 台風はアジア地域で、ハリケーンは大西洋や太平洋北東部地域で、サイクロンは太平洋南部およびインド洋の周辺地域で使われるが、気象学者たちは一般的に「熱帯低気圧」という語を使う。

 この強力な自然現象は、最大風速と潜在的に引き起こし得る被害の規模の大きさによって5つのカテゴリーに分類される。熱帯低気圧については、広島に投下された原爆のエネルギーの10倍もの威力をもち得ると考えられている。

 太平洋で発生し、6日に風速58メートルの突風を伴ってフィリピン東部を直撃した台風22号(アジア名:ハグピート、Hagupit)は、2014年に同国を襲った最も強力な熱帯低気圧となった。

 サイクロンは水深60メートルまでの海水温度が26度以上で、激しい雷雨といった大気の不安定な状況で生まれる。大量の水蒸気を蓄えるサイクロンは、集中豪雨や洪水をもたらし、多くの命を奪ったり建造物に被害を与えたりする。

 サイクロンはまた、本体よりも速いスピードで移動する大きな波のうねりを生む。うねりは時に1000キロ離れた場所で見ることができ、海面が数メートル上昇することもある。

 こうした熱帯低気圧は直径500から1000キロメートルにわたり、その中心である「目」は比較的穏やかだ。また地上や水温が冷たい海上を移動すると、急速に勢力が弱まる。(c)AFP