【12月5日 AFP】米航空宇宙局(NASA)は4日、米フロリダ(Florida)州ケープカナベラル(Cape Canaveral)で同日朝に予定されていた次世代宇宙船「オリオン(Orion)」の初の打ち上げを5日以降に延期した。

 4日のローンチ・ウィンドウ(打ち上げ可能な時間帯)は3時間近くあったが、打ち上げは近くを貨物船が航行したために延期されたのに続き強風で再び延期された。さらにロケットの燃料バルブの一部に不具合が発生したため、この日の打ち上げは行われないことになり、打ち上げを見ようと集まっていた数千人の観光客と宇宙マニアたちは残念がらせた。

 関係者によると、燃料バルブの不具合は今回使用されるデルタIVヘビー(Delta IV Heavy)ロケットでは過去の打ち上げ時にも1度あり、解決できるとしている。

 次のローンチ・ウィンドウは5日午前7時5分(日本時間同日午後9時5分)から。初の試験飛行となるオリオンには人間は乗り込まず、4時間半かけて地球を2周して太平洋(Pacific Ocean)に着水する予定。時速3万2000キロメートル以上で大気圏に再突入する際に2200度にもなる高温に耐熱シールドがどう機能するか調べるのが、この試験飛行の主な目的だという。

 有人宇宙飛行に使用されることが想定されている米国の宇宙船が打ち上げられるのは、40年以上前に人類を月に運んだアポロ(Apollo)計画の後としては初めてとなる。(c)AFP/Kerry SHERIDAN