【12月4日 AFP】米ニューヨーク(New York)で、今年7月に白人警官が黒人男性の背後から腕で首を絞め、男性が死亡した問題で、地元の大陪審は3日、警官を起訴しない決定を下した。

 米ミズーリ(Missouri)州ファーガソン(Ferguson)では先日、黒人青年を射殺した警官を不起訴とする同様の決定を大陪審が下したことにより、大規模な暴動が発生していた。

 エリック・ガーナー(Eric Garner)さん(43)は7月17日、スタテン島(Staten Island)でたばこの違法販売容疑で逮捕された際に、ニーヨーク市警のダニエル・パンタレオ(Daniel Pantaleo)警察官に首を背後から腕で絞められ、窒息して死亡した。

 この際の様子を携帯電話で撮影した動画によると、ぜんそくを患っていたガーナーさんは、数人の警官に地面に組み伏せられて、「息ができない」と訴えていた。

 パンタレオ警官は、ガーナーさんの背後に立ち、腕を首にまわして押さえつけている様子が写されていた。警察当局は、ガーナーさんが逮捕に抵抗していたと説明している。ニューヨーク市警は、これ以前にも似たような問題が起こり物議を醸していたことから、背後から腕で首を絞める行為を禁じている。

 ガーナーさんはその後、意識を失い、地元の病院で死亡が確認された。ニューヨーク州検視局は、ガーナーさんの死因について、拘束された際に首を絞められたことが一因だったと結論づけている。

 大陪審の決定を受け、ニューヨーク当局はファーガソンで起きたような暴力行為が発生する可能性があるとして警戒を強めている。タイムズスクエア(Times Square)には抗議の意を表明するために多くの人が集まったが、今のところ暴動に発展する兆しはみられない。(c)AFP