【12月3日 AFP】北朝鮮で金正恩(キム・ジョンウン、Kim Jong-Un)第1書記が権力の座につく1年前、金一族の統治下で続いてきた伝統に従い、第1書記と同姓同名の国民に改名が指示されていたことが分かった。韓国のKBSテレビが報じた。

 KBSテレビによると、入手した北朝鮮当局の内部文書の中から、当時の指導者だった金正日(キム・ジョンイル、Kim Jong-Il)総書記が、改名が確実に実行されるよう党員や軍部、警察関係者に命じた「行政命令」が発見された。

 行政命令の日付は、正恩氏が正日氏の後継者に事実上選ばれた直後の2011年1月。金総書記は同年12月に死去した。

 同文書には「全ての党員と公安当局者は、金正恩の名前を持つ住人のリストを作り、自発的に改名するよう彼らを教育するべきだ」と書かれていた。文書の一部は2日にKBSテレビで放送された。

 改名手続きには、卒業証書や社会保障カードなどの公的文書に記載された名前を修正することも含まれていた。また当局者は、「キム・ジョンウン」と名付けられた新生児の出生証明書を拒否することも命じられた。

 韓国政府高官によると、北朝鮮は金日成(キム・イルソン、Kim Il-Sung)国家主席や金正日総書と同じ名前を持つことを住人に禁じてきたことが知られているという。(c)AFP