■アルゴリズムが編集者にとって代わる?

 ニューメディアを専門とする米ジョージ・ワシントン大学(George Washington University)のニッキー・アッシャー(Nikki Usher)教授(ジャーナリズム)によれば、フェイスブックは何万もの要因を考慮したアルゴリズムを使い、ニュースフィードをつくっている。

「フェイスブックは、あなたの友人が何を読んでいるかを知るための全データを手にしているから、あなたが興味のあるものを目にする確率は大きくなる」と、同氏は言う。「フェイスブックがあれほど多くの技術者やデータ科学者を雇っているのは、アルゴリズムを改良し続けるため。ユーザーが増えれば増えるほど、アルゴリズムは強くなる」

 米世論調査機関ピュー・リサーチ・センター(Pew Research Center)によれば、フェイスブックは、米国人の少なくとも30%のニュース情報源となっており、ニュースサイトにユーザーを誘導するのにも大きな役割を果たしている。フェイスブックなどのソーシャルプラットフォームからのアクセス数への依存度を高めているニュースメディアは、その結果、フェイスブックの影響を大きく受けるようになった。

 一方、ポールソン氏は、フェイスブックは多くのニュースを提供することはできても、従来の新聞にあるジャーナリズム精神をもつことはできないだろうと語る。「報道の自由は、権力を持つ人々を監視して社会に情報を伝えるために確立された。アルゴリズムでは提供できない公共の精神というとても大きな要素がある」

 同氏によれば、フェイスブックは共有するという意味で役に立つプラットフォームではあるが、新聞社がしばしば誇りとするような調査報道はできないと指摘する。ジャーナリズムが廃れることで、民主的なプロセス全体が弱められてしまう。「私たちは、受け取るべき類いのニュースを得ており、その対価を支払うことはいとわない」とポールソン氏は付け加えた。(c)AFP/Rob Lever