【11月26日 AFP】米ミズーリ(Missouri)州ファーガソン(Ferguson)で今年8月に武器を持たない黒人青年を射殺した白人警察官が25日、米ABCニュース(ABC News)の番組に出演し、事件に関するやましい気持ちはなく、同じ状況があればまた同じ行動を取るだろうと語った。

 マイケル・ブラウン(Michael Brown)さん(当時18)を射殺したダレン・ウィルソン(Darren Wilson)氏(28)が公の場で事件について語るのはこれが初めて。事件当時について、銃を抜いて発砲する前に、命の危険を感じていたと主張した。ウィルソン氏が職務中に銃を使用したのは、ブラウンさんに向けて発砲したのが初めてだったという。

「やましい気持ちがない理由は、自分が職務を正しく遂行したことを知っているからだ」(ウィルソン氏)

 もしブラウンさんが白人だったとしても同じ行動に出たかと聞かれると、「ええ、疑いなく」と答えた。

 ウィルソン氏はブラウンさんを「屈強な男」だったと表現し、プロレスラーのハルク・ホーガン(Hulk Hogan)さんになぞらえた。2人の身長はほぼ同じで約193センチだが、ブラウンさんの体重は約131キロで、ウィルソン氏の約95キロよりかなり重い。

「彼は私に突進してきた。私を殺すつもりだった」と語り、ブラウンさんが自分の銃を奪う恐れがあったため、発砲は正当防衛だったと主張した。

 事件をめぐっては24日、ウィルソン氏を不起訴とする大陪審の決定が発表されたことから、ファーガソンでは暴動が発生した。

 暴動が続く中、当局はウィルソン氏の証言内容を新たに公開。その中で同氏は、ブラウンさんと口論になった際に顔面を2回殴られ、「もう1回顔を殴られたら気絶するか、当たり所が悪ければ死ぬかもしれないと思った」と語っている。

 証拠として新たに公開された事件直後のウィルソン氏の写真には、右ほほに残された小さな打撲傷が写し出されている。(c)AFP