【11月20日 AFP】男子テニス、国別対抗戦のデビスカップ(Davis Cup 2014)決勝を控え、腰の故障で出場が危ぶまれているロジャー・フェデラー(Roger Federer、スイス)が19日、練習に初めて参加し、フランスとの決戦に向けて絶好のタイミングでチームを勢いづけた。

 通算17回の四大大会(グランドスラム)制覇を誇りながらも、デビスカップのタイトルにはこれまで無縁だったフェデラーは、英ロンドン(London)で15日に行われたATPワールドツアー・ファイナル(ATP World Tour Finals 2014)の準決勝で腰を痛め、この日までまったくボールを打っていなかった。

 フェデラーは、スタン・ワウリンカ(Stan Wawrinka)とのスイス勢対決で、4度のマッチポイントをしのぎフルセットの消耗戦を制したが、その代償は大きく、翌日予定されていたノバク・ジョコビッチ(Novak Djokovic、セルビア)との決勝戦を棄権している。

 33歳のフェデラーはこの日、仏ヴィルヌーヴ・ダスク(Villeneuve-d'Ascq)にあるスタッド・ピエール・モーロワ(Stade Pierre Mauroy)のクレーコートで、スイス4位のミヒャエル・ラマー(Michael Lammer)とボールを打ち合った。

 フェデラーは同日午後の練習にも参加する予定だったが姿を見せず、セッションはワウリンカやほかの選手だけで行わた。

 フェデラーは18日夜、21日の初戦に出場する可能性について確信を持てず、様子をみていくしかないとコメントしており、「状態は良くなっているが、回復に1か月もかけられる時間がないことも分かっている。すぐに回復できるよう全力を尽くす」と語った。

 スイスにとっての不安材料は、ワウリンカがフランスの全選手よりも格上の世界ランク4位に君臨しているとはいえ、マルコ・チウディネリ(Marco Chiudinelli)は同212位、ラマーは同508位と実力にかなりの開きがあることだ。

 そのためフェデラーを欠くことになれば、ジョーウィルフリード・ツォンガ(Jo-Wilfried Tsonga)、ガエル・モンフィス(Gael Monfils)、リシャール・ガスケ(Richard Gasquet)、ジュリアン・ベネトー(Julien Benneteau)と選手層の厚いフランスに対して、スイスがデビスカップで初優勝を飾る可能性は低くなるとみられる。(c)AFP