【11月17日 AFP】バラク・オバマ(Barack Obama)米大統領は16日、イスラム教スンニ派(Sunni)過激派組織「イスラム国(Islamic StateIS)」が、シリアで拉致された米国人ピーター・カッシグ(Peter Kassig)氏を殺害したことを確認した。

 イスラム国は16日、イスラム教に改宗した後に自らを「アブドゥルラフマン(Abdul-Rahman)」と名乗っていたカッシグ氏を殺害した映像を公開していた。

 オバマ大統領は、アジア歴訪から米国に戻る途中の大統領専用機の機内から発表した声明の中で、「アブドゥルラフマンは、世界がいみじくも残忍な行為と結び付けているテロリスト集団のまさに邪悪な行為により、われわれから奪われた」と述べた。

 またオバマ大統領はイスラム国の別称「ISIL」を使って「(カッシグ氏の前に殺害されていた米国人記者)ジェームズ・フォーリー(James Foley)氏とスティーブン・ソトロフ(Steven Sotloff)氏のように、彼の人生と行動はISILが象徴する全てのものと対照をなしている」と指摘し、「ISILの行為はなんらかの信仰、とりわけアブドゥルラフマンが自らのものとして選んだイスラムの信仰を体現しているものなどでは全くない」と述べた。

 公開された映像にはシリアの軍人とされる少なくとも18人が斬首される場面や、先に米欧の人質を斬首した英国訛りの英語を話す戦闘員と同じ人物とみられる男が、はねられた1つの首の上に立っている様子を捉えていた。

 これより先カッシグ氏の両親は、シリア内戦の被災者に治療と支援を行うため命を危険にさらしていた元米兵である「かけがえのない息子」の正式な死亡の確認を待っていた。

 両親は声明で、「人質犯の思うつぼになる」として、イスラム国が公開する映像の公開や放映をしないよう報道機関に求めていた。(c)AFP/Sara Hussein with W.G. Dunlop in Baghdad