【11月10日 AFP】オーストラリアで今年に入り、温暖化対策の一つである再生可能エネルギーに対する新規投資が前年比で70%縮小していると、豪非営利シンクタンク「クライメート・カウンシル(Climate Council)」が10日、警鐘を鳴らした。

 オーストラリアは国民1人当たりに換算した二酸化炭素(CO2)排出量が多いにもかかわらず、再生可能エネルギー分野で遅れをとり、温暖化対策のけん引役を担う国のグループから脱落した。クライメート・カウンシルは「Lagging Behind: Australia and the Global Response to Climate Change、(対策の遅れ:豪州と世界の気候変動への取り組み)」と題した報告書で「再生可能エネルギーに関する連邦政府の明確な政策がないため、オーストラリアの同エネルギーの未来はまったく描けないままだ。結果的に14年の再生可能エネルギーへの投資は前年比70%減だ」と指摘している。

 トニー・アボット(Tony Abbott)豪首相は昨年の就任以降、労働党の前政権が導入した炭素税を廃止し、経済発展のためには不可欠だとして石炭の利用を擁護している。

 一方、温室効果ガスの二大排出国である中国と米国は、再生可能エネルギー分野の発展・投資では先を行っており、その他でも炭素税を導入する国が増えつつある。(c)AFP