【11月7日 AFP】フランスのベンチャー企業「キャピタル・バイオテック(Capital Biotech)」社は、イスラム教徒やユダヤ教徒が口にすることを禁じられている豚肉が食品の中に含まれているかどうかを検査するキットを開発した。

 豚肉が食品に含まれているかどうかを10分以内に判別する検査キット「ハラール・テスト(Halal Test)」は、わずか2週間前に発売されたばかりにもかかわらず、遠く離れたトルコやチリ、インドネシアなども含め、すでに10万ユーロ(約1400万円)近い注文を受けており、同社の共同創業者であるジャンフランソワ・ジュリアン(Jean-Francois Julien)氏も驚いているという。

 検査キットの価格は6.90ユーロ(約1000円)で、1度しか使用できない。また、ハラールにのっとった食品かどうかを判別するには、食肉処理の手順に関する情報が必要とされるため、完全なハラール検査にはならないと同社は認める。

 だが、「旅行先での食事や、『ハラール認証』済みと称する新商品への不安を解消することはできる」とジュリアン氏は話す。

 検査では、少量の食品とお湯を混ぜ、その中に試験紙を浸すと、10分以下で豚のたんぱく質が含まれているかどうかを検知できる。

 同社は今後、豚肉だけでなく、あらゆるタイプの食物アレルギーに対応できるようにしたいとしており、まずは、アレルギーを引き起こす可能性がある大豆や卵、アーモンドを検知するキットを近々発売するという。

 その後、グルテンやピーナッツ、牛乳などに範囲を広げ、将来的には、薬剤品の簡易検査にまで手を伸ばす計画だ。(c)AFP/Helene DUVIGNEAU