【11月6日 AFP】米大リーグ(MLB)、ニューヨーク・ヤンキース(New York Yankees)のアレックス・ロドリゲス(Alex Rodriguez)が、表向きには運動能力向上薬の使用を否定していたにもかかわらず、捜査員には薬の使用を認めていたことが明らかになった。

 マイアミ・ヘラルド(Miami Herald)紙は5日、ロドリゲスは今年1月に米麻薬取締局の連邦捜査官、そして検察官と面談を行い、そこで自白したと伝えている。

 出場停止処分が終わり、来季からプレーに復帰できるロドリゲスは、米フロリダ(Florida)州マイアミ(Miami)のクリニック、「バイオジェネシス(Biogenesis)」からテストステロン(testosterone)やほかの禁止薬物を入手していたとしている。

「バイオジェネシス」は、テストステロンやヒト成長ホルモン(Human Growth Hormone、HGH)の提供元として摘発されており、クリニックの経営者であるアンソニー・ボッシュ(Anthony Bosch)被告は先日、テストステロン配布の共謀で有罪を認めた。

 ボッシュ氏の懲役は最高で10年になるとみられているが、大リーグ機構の捜査に協力しているため、刑期は短くなるとみられている。

 マイアミ・ヘラルド紙が報じた麻薬取締局の報告書によると、「ロドリゲスは自分の胃にHGHを注射した」とされている。

「ロドリゲスはボッシュ被告から睡眠、育毛、視力と筋肉の回復にHGHは効果的だと教えられていた」

 報告書ではまた、39歳のロドリゲスはボッシュ被告に1か月1万2000ドル(約140万円)を支払い、禁止薬物を入手していたとされている。

 ロドリゲスは今年1月、「私はパフォーマンスを向上させる禁止薬物を使用したことは一切ない。そしてそれを証明するため、連邦裁判所で争うつもりだ」と語っていた。

 報道によると、ボッシュ被告はロドリゲスに対し、尿サンプルに中流尿を使用することで、薬物検査をごまかすことができると助言していたとされている。

 薬物規定違反により、ロドリゲスを含む計13人の選手が2013年に処分を受けた。そのうち12人が50試合の出場停止処分だったのに対し、ロドリゲスには前代未聞の211試合の出場停止が科された。その後、ロドリゲスの処分は162試合まで軽減されている。

 この処分により、ロドリゲスは2014年シーズンの全休を余儀なくされたが、処分が明ける2015年シーズンから復帰することができる。

 マイアミ・ヘラルド紙によると、ア・リーグの最優秀選手(MVP)に3度輝いた実績を持つロドリゲスの証言は、ボッシュ被告とロドリゲスのいとこで仲介役を務めていたユリ・サカート(Yuri Sucart)被告の裁判で採用されるとしている。

 ロドリゲスは2009年に、テキサス・レンジャーズ(Texas Rangers)に所属していた2001年から2003年までステロイドを使用していたことを認めている。(c)AFP