【11月5日 AFP】中国の首都・北京(Beijing)ではアジア太平洋経済協力会議(Asia-Pacific Economic CooperationAPEC)首脳会議を数日後に控え、大気汚染対策として、火葬の際に故人の衣服を一緒に燃やすという古来からの風習が禁止された。

 大気汚染で悪名高い北京ではAPEC開幕を前に車の通行規制や工場の閉鎖命令、公的機関の職員への6日間の休暇といった措置が取られており、周辺地域もそうした規制に準じている。隣接する河北(Hebei)省では2000を超える企業が休業し、2500か所近い建築現場で作業が中断される。

 現地紙・新京報(Beijing News)によれば、こうしたAPECのための措置として、北京市にある広大な墓地「八宝山革命公墓(Babaoshan Revolutionary Cemetery)」では、11月1日~15日まで「故人の衣服を燃やす行為を一時中止する。どうかご理解ください」との告知が掲示されている。

 中国の葬儀の多くでは、故人が死後に使えるようにと、紙で作った様々な道具などと一緒に衣服を燃やす習慣がみられる。大気汚染の抑制に取り組む中国で、こうしたわずかな煙の発生源が規制対象とされることは今回が初めてではなく、焼肉の屋台が対象とされることなどもある。しかし激しい大気汚染の原因として筆頭に挙がるのは、自動車の増加や、好況を支える火力発電で膨大な石炭が使用されていることにある。(c)AFP