【10月20日 AFP】男子テニス、スイス・インドア(Swiss Indoors Basel 2014)に10年ぶりに出場するラファエル・ナダル(Rafael Nadal、スペイン)は19日、虫垂切除術が避けられないという暗い状況の中、「恐れはある」という心情を明かした。

 20日に開幕する今大会の初戦で、予選を勝ち上がったイタリアのシモーネ・ボレッリ(Simone Bolelli)と対戦するナダルは、2004年以来初めて出場する同大会では、母国開催に臨む第1シードの宿敵ロジャー・フェデラー(Roger Federer、スイス)に0勝2敗とされている。

 通算9回の全仏オープン(French Open)王者に輝いている28歳のナダルは、虫垂切除術を数週間遅らせるために、抗生物質の投薬を受けている。

 この日、現地バーゼル(Basel)で2時間の練習に臨んだナダルは、「これまで出場したATP500シリーズの中でも、最も危険な1回戦の一つになるだろう」と認めた。

「明日は何が起こるか、100パーセント確信が持てない。練習内容も時間も不十分な中で、僕の体はプレーの最中に通常よりも多くの疲労を感じている」

「練習と試合とでは、話が違ってくる。戦っている時はアドレナリンが出て、脈が速くなるから、体がどう応えるか分からない」

「自分の体がどのように反応するか、少し恐れはある。これまで、抗生物質の治療を行ったあとに負傷するケースが起きているから、今回はそうならないことを願うよ」

 ナダルは、先日の上海マスターズ(2014 Shanghai Rolex Masters)で虫垂に炎症を起こしたが、医師団にはプレーしても問題ないと告げられている。

 世界ランク3位のナダルにとって、この状況はこれまでも悩まされてきた試練の一つとなっている。

 しかしナダルは、フェデラーが合計5回優勝している同大会で、トロフィーを獲得する可能性はわずかだと分かっているとしても、前向きに構えている。

 ナダルは、「この大会は、インドアでのプレーを改善する手助けになるだろう。この大会は数年ぶりだし、この一週間プレーしていなかったから、プラスになる」と主張した。

「厳しい復帰戦になるだろうけど、前向きに臨むよ」

「スポーツに負傷はつきものだし、これまで何度も経験してきた。とにかく我慢の積み重ねだよ。(フェデラーがそうであるように)33歳になって自分が最高のプレーをすることが可能かどうか分からないけど、今は明日のことだけを考えている」

(c)AFP